「淨寶」復刻版

 「淨寶」(キヨキタカラ)は、現在、毎月発行の当寺報「淨寶」(ジョウホウ)の前身となる会報誌です。第15代住職諏訪令海が中心となって出版を始め、大正後期より毎月1回の発行となりました。内容は宗教にとどまらず、文学・美術・音楽と多岐に亘り、令海を始めとする当時の編集に携わった方々が幅広い関心と柔軟な発想を有していたことが伺えます。誌面は時には50ページを超える月もあり、一ヶ寺の毎月発行する会報としては破格の分量でした。また、特筆すべきは講演録や寄稿文で、曽我量深・金子大栄・足利淨圓・藤秀璻・臼杵祖山・梅原眞隆など、東西本願寺往年のビッグネームが見られます。

 昭和20年8月6日、原爆によって広島の街と共に淨寶寺は焼かれ、「淨寶」も失われます。しかしながら戦後、ご門徒(信者)が、市内の古本屋に売られていた「淨寶」〈大正11年9月号~昭和15年10月号まで〉を見つけ寄贈してくださいました。戦後20年を経た、昭和40年のことです。

 戦前から戦中、時代の厳しさ辛さを感じさせる記事も少なからずありますが、それ以上に「淨寶」は伝道の志高く、気力と熱気に溢れています。諏訪令海がこの誌面に託した精神はまさに「宝」。このホームページでは、「淨寶」の主要記事を順次UPしていく予定です。一人でも多くの方に「キヨキタカラ」に触れて頂ければ幸いです。

 ※歴史的仮名遣い、言葉遣い等については一部読みやすく編集しています。

                                                                     ■バックナンバーはこちら!!■