報恩講法要

去る、11月16日、一年の中で最も大切な御法要、報恩講法要を50名のご参拝のもと、本年もつつがなくおつとめさせて頂きました。

親鸞聖人は真実のみ教えを明らかにして下さいました。よって、聖人のご命日(旧暦11月28日、新暦1月16日)を機縁として、そのご遺徳を讃嘆するのであります。

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今年の御講師は、埼玉県比企郡吉見町の浄泉寺住職、福井学誠師。

福井師は、富山県の由緒ある寺院に生まれましたが、NHKに就職しカメラマンを勤めていました。しかしながら、その後、縁あって寺院に入り、本山本願寺で式務職(本山で法要儀式を専門的に執り行う役職)に就きます。そして更に、今度は都市開教を志して東京の築地本願寺に移り、現在の埼玉県比企郡吉見町で寺院を開き現在に至ります。

都市開教とは何か。

私達の宗派「浄土真宗本願寺派」(以下、本派)は、広島県の半分を「安芸教区」として区切り、約550ヶ寺もの本派寺院を抱えています。

ところが首都圏の「東京教区」は、東京都(約1315万人)、神奈川県(約904万人)、埼玉県(約719万人)、群馬県(約200万人)、千葉県(約621万人)、茨城県(約296万人)、栃木県(約200万人)、山梨県(約86万人)及び静岡県(376万人)の1都8県で構成されているにも関わらず、その本派寺院数は約450ヶ寺。

広島県全体の人口は、2010年では約286万人。それに対して、首都圏は約4717万人、実に16倍以上の人口です。にも関わらず広島県の半分の範囲よりも本派寺院数が少ないのです。

よって、その首都圏において寺院を設立し布教伝道を行うのが、言わば都市開教であります。

しかしながら、人口が多く寺院数が少ないのなら、その分、競合相手も少ないということなので、都市開教は割とやり易い事業なのではないか、と思う向きもあろうかと思いますが、どっこい、そうはいかの塩辛。

人口が多く寺院数が少ないというのは、それだけお寺に関心の無い人が多いということなのです。

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福井師は、寺院の新規立ち上げから今日に至るまでの道程と工夫そして苦労、お寺に無縁の方々に仏法を説く困難さを語りながら、開教の現場で培ってきた経験を基とした独自の切り口で、み教えを明快に説いて行かれました。

参拝者一同、そのパイオニア精神に感銘を受けながら、お話に聞き入っていた様子でした。

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今年も婦人会、若婦人会の皆さまで、お斎弁当(精進弁当)をご用意頂きました。

二日かけて丁重に下拵えして下さったお味は、相変わらずのハイクオリティー、とても美味しく頂戴致しました。

この場を借りて、あらためて御礼申し上げます。

 

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