近年、シネマコンプレックス(イオンや東宝シネマズなどの複合映画館)が台頭し、単館映画館の影がめっきり薄くなってしまいました。
現代的な内装、完璧なエアコンディションニング、よく訓練された接客、充実した売店・・・全国どこへ行っても同水準のサービスが期待できるシネマコンプレックスはとても快適なのですが、同水準だけにどこへ行っても似たような様子。
映画館に足を運ぶ際の面白味のひとつ、映画館なりの個性的な雰囲気を味わう楽しみが減ってしまったような気がします。
そんな中、広島老舗の単館映画館「サロンシネマ」は、チョー個性的。シネコンがなんぼのもんじゃいと気を吐いていた(と思っていた)のですが、なんと本日8/31を以て閉館の運びと相成ってしまいました。
昨年、ローカル局で、観客動員数の減少から閉館が危ぶまれていると報道されていたので、心の片隅ながら心配していたところ、ついに来るべき時が来てしまったか!という感じです。
しかしながら、よく聞けば経営難から閉館に追い込まれたというわけではなく、「サロンシネマ」が入っている雑居ビルの老朽化が原因。場所を八丁堀のビル(東急ハンズが入っているビル)に移し、九月下旬より運営を再開するというのだから、一安心というところ。
とは言え、長年親しんできた映画館が閉館するのはやはり淋しいものです。
あの昔ながらの商店街、鷹野橋商店街から少し外れた路地裏にある小汚い(スミマセン)雑居ビル。
結構長い階段を登ると、
チケット売り場。
そこから左右に分れて「サロンシネマ1」と「サロンシネマ2」があります。
私は特に向かって右側へ向かう「サロンシネマ2」が好きで、20年近く京都に住んでいた時分も、帰郷すれば必ずと言ってよいほど足を運んでいました。
特段観たくもない映画であっても、「サロンシネマ2」の雰囲気を味わいたくて通っていたほどです。
なぜなら・・・
こじんまりとした空間ですが、広々としたシート。
そしてどこかの礼拝堂のごとき天井絵!
さらに隠れ家的な二階席も!
なんと、愛らしい映画館でしょう。
そして、そこで鑑賞した作品の数々、一緒に観に行った人たち、思い出がいっぱいです。
閉館が残念でなりません・・・
昨晩、8/30、私は「サロンシネマ2」での最後の時間を過ごしました。
同じ思いなのでしょう、館内はレイトショーながら出入りする客で何時までも賑わっていました。
因みに最後の一本は、ジャック・タチ監督「プレイタイム」(1967年フランス映画)。
コメディー映画らしく、5秒に一回くらいの濃密さで笑えるシーンが盛り込まれている様子なのですが、これが全然面白くない。クスリともきません。ところが映像にはコメディー映画らしからぬ計算されつくした入念さと豪華さがあります。ちょっと私の貧弱な感性では捉えきれない不思議なスケールの作品で全然面白くなかったけれども、恐らく何十年後でも色んなシーンを思い出せるような強烈な印象を与える映画ではありました。
(私にとって)全然面白くない映画が締め括りとなってしまいましたが、いいんです。
「サロンシネマ2」の雰囲気で観れたこと、それが嬉しかったのでした。
サヨナラ
サヨナラ
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