ヒーロー

困り果てた者の前に颯爽と現れ、難題珍題を赤子の手を捻るが如く解決し、名前も告げずに忽然と去ってゆく・・・斯様な月光仮面的な存在を世はヒーローと呼ぶのでしょう。

思えば幼年の頃、確かにヒーローは実在しておりました。スー〇ーマン、ス〇イダーマン、科学戦隊〇〇等。では何故彼らは私たちの前に姿を現さないのか?それは化け物怪獣に襲われるほど困っていないからだ。なるほどなるほど、ヒーローには会いたいが、化け物怪獣どもにはご遠慮願いたいものですな・・・などという葛藤を友人と真剣に語り合っていたのは昔日。

あれから30数年、水晶のように輝いていたであろうかつての少年の瞳は、死魚の目玉の如くに変貌し、すっかり夢を語らなくなっておりました。いつの間にかヒーローは現実から架空の領域へと居を移していたのであります。

しかし、本日、ヒーローはそんな夢尽きた悲しき中年男の虚を突いて、颯爽と立ち現われました。

JAF1

 

 

 

 

 

 

 

今日は月末、世は締めくくりの日。そんな誰しも忙しい朝、不覚にも車のタイヤをパンクさせてしまいました。スペアタイヤがあるにはあるけれど、タイヤの交換作業をして着ている衣が汚れると、これからお伺いするお宅に迷惑を掛ける。それに時間もない。どうしたものかと取り敢えずは携帯電話を握りしめ、少々パニクった私の頭に浮かんできたのが「彼ら」でした。

JAF3

 

 

 

 

 

 

 

コールセンターのオペレーターの指示通り、十数分で現場にやってきたJAF隊員。その出で立ちは、「ウルトラマン隊員服」を彷彿とさせるオレンジ。

藁をもすがる思いで到着を待ちわびていた私の思い浮かべた単語が「ヒーロー」だったとしても、何ら不思議ではないでしょう。

困り果てている者の前に現れ助ける、それをヒーローという。

そしてヒーローは難なくタイヤ交換を済ませ、爽やかな笑顔を残して、どこかへと去って行かれたのでした。

それはどこか?

明細

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり、ヒーローの帰る場所は「基地」的なところなのでした。

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