除夜の鐘

本年も残すところ、あと数時間となりました。

世間では、一年の仕事も終え後は正月を迎えるだけのお父さんが、既に一杯やりはじめて出来上がっている時間帯ですが、

全国のお寺さんといえば、恒例行事「除夜の鐘」に向けて準備に大忙しでありましょう。

「除夜の鐘」を鳴らす回数は１０８ツ。

人間に宿命的に備わる１０８ツの煩悩を除くため、同じ回数、鐘を鳴らすのだと言われています。

しかし、鐘を撞いたからと言って煩悩が消えるわけでもなく、

その足で年明け神社へ初詣と出掛け八百万の神に願掛けをすれば、ちっとも煩悩は無くなっていないのであります。

無論私は信仰上の理由から、新年神社へ赴くことはないのですが、

いつの間にか、自分に都合の良いことが起これば結構と、新しく迎える年に期待しているのでした。

かく言う、わが淨寶寺には鐘楼（鐘撞き堂）はありません。

故に必然「除夜の鐘」もないわけで、

熱燗でも飲みながら、年末特番をぼんやり観たりすることもできるのです。

今宵は外からおぼろげに聴こえてくるであろう鐘の音に、

却って煩悩具足の身を知らされつつ、平成25年を迎えるのでしょう。

この淨寶寺に跡取りとして入らさせて頂いたのが今年の1月1日。

もうすぐ丸365日を終えようとしています。

振り返れば、量り知れないご縁を頂いて過ごしたはずの一年。

だのに感謝よりも愚痴の言葉のほうが圧倒的に多かった一年でした。

お恥ずかしいことです。

2012（平成24）年10月1日より開始したこのホームページ。

初めての年越しを迎えます。

訪れて下さった皆様に心より感謝の意を表しつつ、

まことに拙いことではございますが、

また来年も、引き続き当ホームページをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

静かに明日の法要「元旦会」を待つ淨寶寺本堂。まったく静かであります・・・