水浴び

先日、知友と川沿いの土手を歩いていました。

川土手

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近までの広島は、梅雨だというのに殆ど雨が降らず、真夏日のような暑さが続いていました。

ふと川面を見ると、水鳥が一羽、ばしゃばしゃと水浴びをしています。

頭から潜ったり、両の羽を広げ水しぶきを上げたりと、誠に気持ち良さそうな具合。

天高く飛ぶ鳥だから、間近に太陽の暑さを感じるんでしょう。

出来る事なら、我らも一緒に水浴びしたいのうーなんて話をしていました。

 

私「この間、夕方、同じ場所でカラスが水浴びをしとるのを見たんよね」

知友「ふんふん」

「そしたら、みるみるあの黒色が落ちていってね」

「?・・・・・」

「真っ白になって、飛んで行ったんよ」

「・・・・・・」

「カラスも寝る前は風呂に入って色を落とすんじゃねえ・・・でも・・・」

「・・・・・・」

「一体いつ黒く染めるんかね?」

 

暑さのせいか、ふと思いついた下らないウソも何となく許される雰囲気がありました。

少し間を置いて知友は、若干面倒くさそうな表情を押し殺しながらも、さらりと言いました。

 

「夜の黒に染まって、朝には真っ黒になるんじゃない」

 

!どこかの民話か神話かのような答えではないですか。

私は、下らないフリを捨てず拾って軽妙に返す知友の懐の深さとユーモアに敬意を抱かずにはおれませんでした。

ところで、この会話をきっかけに、インターネットでカラスのことを色々検索。

すると、カラスは世界中の神話や民話で、神の使い、太陽の使いと崇められている反面、そのダークなカラーイメージからか、余儀なく損な役回りで語られている場合と、両極端でした。不思議な鳥です。

そういえば、我々お寺の者が普段着用する着物は黒。いろんな意味でカラスに似ているような気が・・・

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