富士

最近、富士山の世界遺産登録が決定されたと話題になっていますが、何を隠そう広島にも富士山があります。

市街地の南、瀬戸内海に浮かぶ似島(にのしま)。「安芸の小富士」と呼ばれています。

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うーん・・・富士山に似てなくもないというような感じでしょうか。高さは278m・・・かたや富士山は3776m、その十分の一もありません・・・火山でもないただの山ですし・・・比べれば比べるほど離れていくような・・・とりあえず思考停止。

市街から瀬戸内海を望めば、ひと際目立つ「似島」。その佇まいを知らぬ市民はいません。ならば誰もが訪れたことのある島かと言えば、話は別。私の周りでは自分も含め「行ったことがない派」が圧倒的多数。

というわけで、とある晴天の日、思い立って似島行きのフェリーに乗り込みました。

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宇治港を出港し、正面の島へと向かいます。潮風が心地よい。瀬戸内の穏やかな海と美しい島々の風景を眺めていると、どこか遠くの観光地に遊びに来たような感覚に♬

と、そんな気分もつかの間、たった20分でフェリーは島に到着しました。こんなに近かったんですね・・・

陸地に降り立つと、猫さんたちが寝そべって欠伸をしている姿があちこちで・・・のどかです。少し歩くと公民館があり島内の案内マップを頂きました。さて、どこへ行こうかと広げてみると・・・何と案内マップの半分以上が旧陸軍の遺構。そう、似島は悲しい戦争の記憶を留める地なのです。

日清戦争時、広島は軍の派遣拠点となりました。ところが陸軍将兵戦死者の約八割が、赤痢やコレラなどの伝染病による病死。急遽、似島に陸軍の検疫所を設け戦地からの帰還兵を一旦収容し、内地に伝染病が蔓延するのを防いだのです。

また、原爆が広島の町に落とされた時、似島検疫所には、都市機能の麻痺した広島から多くの被爆者が運ばれ、臨時の救護施設となりました。

次回のブログでは、そんな旧陸軍の遺構を巡ってみたいと思います。

(続く)

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