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突然ですが、写真は能舞台。

何を隠そう、半年ほど前から、能楽の「謡」を習い始めています。

流派は「喜多流」、先生は「粟谷明生先生」。叔父のすすめでした。

「謡」とは、能楽の、あの何を言っているのかさっぱり分からない古文調の台詞のことですが(失礼な言い方でスミマセン)、さて、やってみると、なかなか面白い。いや、かなり面白い。噛めば噛むほど味が滲み出すスルメ的な魅力があります。

古文調で声を出していると、言葉にノセられて、不思議と気持ちも古文調っぽくなるというか、時代劇の登場人物になったような気分になります。と、同時に言葉の意味も何となく(大まかですが)分かるようになるんですね、不思議と。

半年の経験しかないくせに、なんだかエラそうなこと言っていますが・・・

今、お稽古しているのは「鬼界島」。「鬼界島」とは、現在の硫黄島と言われています。

細かい説明は省いて、ざっくりとした内容を言うと・・・

平家の時代。時の為政者に謀反を企てたものの、事前に発覚してしまい、「鬼界島」へ島流しにあった三人だが、ある日、天皇の恩赦により本土から迎えの舟が来る。ところが、許されたのは二人だけ。孤島に残される俊寛という僧侶の悲嘆悶絶・・・

俊寛が、使者の持って来た赦免状を繰り返し隅から隅まで隈無く読み返すのですが、自分の名前がどこにもない。そして、あるはずもないと分かっているのに、もしかしたら書状の包み紙に名前が記されてあるかも知れないと、一縷の望みを託して見返すけれども、やはりない。赦されて本土へ向かう舟へと乗り込む二人とは対照的な俊寛の哀れな姿。三人でも辛かった孤島の日々が、独り、のしかかる・・・

何だか、自分で書いてて暗い気持ちになってきますね・・・

ところで、

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一昨日の10月14日、アステールプラザ能舞台(屋根は桧皮葺きの本格派、普段は普通の舞台ホールなのですが、能楽行事の時は、奥の倉庫から油圧で、にゅーんと能舞台ごとスライドして前に出てくるそうです!)で「広島市民能楽の集い」がありました。

そこは、つまりは能楽をお稽古している人のための発表の場。

私もさきほどの「鬼界島」を謡わせていただきました。

もちろん、「謡」歴、ウン十年という同門の大先輩方に混じってこっそりと。

能舞台特有の緊張感。

マイ「謡」ブームは当分続きそうです。

 

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