街の風景

 

写真は淨寶寺から車で15分ほどのところにある、私の実家のある街の、とある風景。

この街を、来年度開通予定の「広島南道路」という湾岸高速が横断します。目下、高架の建設が急ピッチ進められている模様です。

子供の頃、走り回った路地裏や、懐かしい家並みの思い出は今やアスファルトの下。巨大な橋脚が次々と建つのを見る度に、元はそこに何があったのか、徐々に記憶が薄れていくような気がします。

ある作家のエッセイで、「街は30年周期で生まれ変わる」そんな一文を読んだことがあります。30年前と言えば私は垂らしたハナ水をすすろうともしない阿呆な小学生。そういえばあの時分、いつも勝手に取って食べていた人の家のイチジクのなる木が大がかりな道路整備でなくなって、なんだかとても淋しい思いをしたものです。

あれから30年。街は生まれ変わろうとしています。これから誕生する子供たちにとってこの街の原風景は「高速道路が横断する街」となるのでしょう。それは明らかに私の原風景とは異なります。そして、それが世代の違いというものなのでしょう。

さらに30年先、街はどのように変わっているのでしょうか。

その姿を見るのは、淋しいようでもあり楽しみなようでもあり、また怖いようでもあります。いや、すでに私はこの世を去り、見ることすらできないかも知れません。

それでも時は移ろい続けます。決して後戻りすることなく前へのみ進み続ける。

「人生前進あるのみ」、よくもわるくも・・・

ちょっと言ってみました(笑)

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (4件)

  • 12/13多発性骨髄症の病名で7年半の闘病の末素晴らしい友人を見送りました。県美展にも何度も入賞し、山を愛し子育て中は人形劇を立ち上げ、最後の10年は陶芸に打ち込み、本当に73歳の人生を生ききった友人でした。抗がん剤の後遺症で力の入らない手で、お世話になった人に、との思いで150体のフクロウ(不苦労&しあわせ)を置き土産に還って逝かれました。優しいご主人と3人の子供さん&5人のお孫さんに見守られながらの安らかな、お顔に見事な命のバトンタッチを思っております。聴かせて頂いても抜け落ちてゆく自分の70年の人生ですが、柔軟に自然体で受け入れていける日々が送れたら、と思ってます。

    • かけがえのないご友人様のお見送り、お辛かったことと拝察申し上げます。
      しかしながら、その還りゆくお姿をしっかりと受け止められ、命と正面から向き合っていらっしゃる眼差しに感服いたします。
      大切な思いのこもったコメント、まことにありがとうございました。

  • 街も村もどんどん変化して行きますよね~。同じ場所でも各世代で
    思い出も違うでしょうね。
    介護の勉強をしていて思うのですが、今のご老人達は昔ながらの生活や
    自然のものを懐かしみ、施設でも敢えて和風な居室にしたり、畑をしたり
    童謡を歌ったりする事がケアになったりします。でも、これがあと何十年、
    それこそ今の若い世代が高齢者となったとき、果たしてどんな事を懐かしく
    思い、どんなケアに繋がっていくのか・・・。
    ドラクエ?Wii?AKB48?EXILE?はたまた、きゃりーぱみゅぱみゅ??
    コンクリ打ちっぱなしの無機質なホームで、職員との会話はメールで・・・
    なんてちょっと笑い話をたまに考えたりします(^_^;)

    どんなに世代が代わっても、やっぱり人間は自然な生活や、人として
    戻るべき場所に戻ってくるのかしら。

    • コメントありがとうございます。
      色々考えさせられました。
      そうですよね。あと何十年もすれば、介護施設の環境も相当違ってくるんでしょうね。
      たぶん子供の頃の、あの幸せだった時間を懐かしんでいくのでしょう。
      「人として戻るべき場所」、大きな問いですよね。
      そんな深い視点を持つSさんは、必ず素晴らしい介護士さんになられると思います。
      陰ながら応援いたしております(^^)

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