スリランカ滞在記(5)

スリランカ滞在記5回目にして、ようやく当初の目的である仏教遺跡に触れることができそうです。

今、吾ら一行が足を運んでいるのは、スリランカ最古の都市、2500年以上の歴史を誇るアヌラーダプラ(アヌラーダ大臣が造った街の意)。そしてここには、やはりスリランカ最古の仏跡があるのです。

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イスルムニヤ精舎。ここはイスムルニヤさんというお坊さんを由緒とするお寺。

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何と、天然の岩場を利用して伽藍が建てられています。通称「ロック・テンプル」。

ガイドさんによると、スリランカの(本気の)行者は、人里離れたジャングル、また岩場や洞窟に籠って行を修めるとのこと。ここロック・テンプルも元は岩場だけの場所でした。

そして、今から2300年前、スリランカに仏教が初めて伝来し、その教えに帰依して初の出家僧となられたのがイスルムニヤさんその人であり、その場所がこの精舎なのです。

学生時代、奈良は明日香村の石舞台古墳を訪れた際、そのダイナミックな造形から太古の匂いに触れ、いたく感銘を受けたものですが、あれは7世紀頃の建造と伝えられています。それよりもさらに千年近く古い歴史がここに!

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スリランカの寺院は人びとから大変敬われています。ですから参拝、拝観する際は必ず靴を脱いで、靴下か裸足。また短パンやノースリーブなどの露出系洋服では入場すら禁じられます。

ただしここは南国スリランカ。灼熱の太陽が砂地や石をいい感じにホットにしてくれています。写真なので声は入っておりませんが、「あつっ!あつっ!」という我々一向の日本語が方々から聞こえておりました。

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スリランカ伽藍へと進む階段の前には、必ずと言っていいでしょう、半円状の石畳と、その両端には一対のお像が彫られています。

ガイドさんによると、半円状の石畳には「魔除け」の言葉が書かれているとのこと。上の写真では石がすっかり摩耗してしまっていますが、元はくっきりと文字が刻まれていたそうです。この寺院が如何に古いかを物語っております。また一対のお像も「魔除け」のようなもの。日本で言う「仁王さん」ですね。

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ここは御堂の中。天井部には天然の岩肌が見られます。彫刻も岩を直接削って彫ったようです。規模は大きくありませんが、圧倒的な年月の古さが威厳となって現れ出でております。

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これは伽藍横に彫刻されている像。人の後ろには馬の顔のようなものが彫られています。これも相当に古いものなのでしょうが、たいへん生き生きとした彫像です。

さて、伽藍を出た付近で人びとがたむろっていました。

何やら楽しそう・・・

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沐浴場を隔てた岩肌に四角い穴が穿たれており、そこ目掛けて何かを投げ込んでいます。

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小銭!でした。

ははーん、「願い事をしながら、小銭を投げて、見事穴に入って留まったならば、願い事が叶う」という類のヤツでしょう。日本の観光地でもよく見かけます。こういうのは世界共通なんでしょうね。(その下の象の彫刻も見事です)

無論、私も挑戦。何故か手元にあった五円玉を女投げ。コインは放物線状を描いて吸い込まれるようにホールイン。周囲からまばらな拍手が。

しかしながら、ふと、実は何も願っていなかったことに気付いた私。

無心が良かったのでしょうか。

(続く)

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