ネパールの僧侶

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昨日、10/10、尾道市の浄土真宗本願寺派寺院、尊光寺さまにおいて、ネパール大地震チャリティーイベント「ネパールの今」が開かれました。

今年の4月25日、ネパールを襲った大地震により、2万4千名近い死傷者が出たことは記憶に新しいところです。

半年近く経った現在でも、その復旧に数多の支援を必要としているため、ネパールの方々と縁故のある尊光寺さまが、今回のチャリティーイベントを企画されたということです。

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お寺の大広間では、チャリティーバザー。

日用品や手作り小物類、また祖国復興のために立ち上がり日本中を歩き回って支援を訴えているネパール人絵師の仏画など、多種多様な品物が並べられ、多くの人びとでにぎわいました。

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講演ではネパール人女性の浄土真宗本願寺派僧侶ウマ・ラマ・ギシン師(現在、京都で大学に留学中)が、ネパールの現状を訴えると共に、ご自身が僧侶となったいきさつをお話になられました。

ネパールはお釈迦様がお生まれになられたルンビニーのある国。もちろん浄土真宗ではなく、自国伝統の仏教があります。そのお隣りシッキムで、厳しい修行を乗り越え、若くしてチベット仏教の高僧となられたソナムさんというエリート僧が、インドブッタガヤ(お釈迦様がお悟りを開かれた聖地)で日本人巡礼者と出遇います。向坊弘道さんというその方は、大学生の時事故に遭い、首から下が麻痺し不自由この上ない身にも関わらず、自らの人生を尊んでいる。その訳を尋ねると浄土真宗のみ教えによって歓びの人生が開かれたという。向坊さんのお話に心打たれたソナムさんは浄土真宗を学び始めます。向坊さんのネパールにおける福祉事業に協力しながら、来日を果たし浄土真宗本願寺派の僧籍を取得。現在首都カトマンズに「カトマンズ本願寺」という本山西本願寺の海外支所を立ち上げるに至っています。

ギシン師はそのソナム先生との出遇いによって日本に来ることとなりました。

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ギシン師の日本語はとても流暢。そして声質は穏やかなのですが、何か力強いエネルギーを感じさせるものがあり、聴衆は自然とお話に惹き込まれていきます。

日本に初めて来たときに受けた様々なカルチャーショック。習慣、文化の違いに戸惑いながらも、外面的なスタイルに拘らずに、内面の真実を追求する親鸞聖人のみ教えを本場日本で体験出来た歓びを語られました。

「体験」―頭で分かる分からないはあまり重要ではない。お念仏でもお経でも、言葉の意味が分からなくとも先ず口にすることが大切です。なぜならそこには確かに仏さまの真実の言葉が含まれているからです。真実に出遇うということ、これほど得難く尊い「体験」はありません。その「体験」するということを大切にしてください―とお聞かせ頂きました。

自ら異国に飛び込んで来られ、「体験」を通じて僧侶となられただけあって、とても説得力のあるお言葉でした。

ところでこの講演の後、今回のチャリティーにやはり祖国復興支援のために参加し、ネパールカレーをバザーで提供されていた、とあるネパール人男性が支援活動の生々しい現況をお話されましたが、なんとその男性、ネパールでギシン師がかつて日本語を教えていた教室の生徒さんだったとのこと!

祖国から遠く離れた極東の小さな街での偶然の再会!

ご縁とは実に不思議なものです。

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